コロナウイルスの流行により刻々と変化する生活の様子を、ドイツ南西部の街フライブルクにおける影響を中心にまとめました。
*誤情報を記載しないよう気を付けてはいますが、正確な情報は政府のページ等をご確認ください。
2月上旬 ドイツ到着
自分が日本を出国したのは2月上旬。中国で感染者が爆発的に増え、日本でも感染が確認され、クルーズ船内の乗客の隔離がニュースになっているころでした。
飛行機の中ではアジア方面からのフライトということもあるからか、トランジット地のモスクワでは乗客はもちろんCAや空港職員もマスクをしている人が目立ちました。
しかしドイツに到着してからは、中国での移動の制限がされていたこともありアジア人の姿は想像より少なく、マスクをしている人は誰もいませんでした。
2月下旬 イタリアで大規模感染
ドイツに来てから約3週間が経ち、ヨーロッパでも感染者が現れ出してはいましたが、生活の変化はなく危機感を抱くこともありませんでした。
寧ろこの時はまだ日本の心配をしており、ドイツにいる自分にとっては対岸の火事でした。
そんな頃、語学学校のクラスメイトであるイタリア人からイタリアで多くの感染者が出たことを知らされました。それでも当時はニュースもほとんどチェックしておらず、イタリアへの帰国を延期するか悩んでいた彼女に、皆で”居なくなるのは寂しいからもう1週間伸ばそう”と言ってしまう様な状態でした。
3月上旬 ドイツでも感染拡大
あっという間にイタリアが大混乱に陥る中、ドイツでも日に日に感染者が増え続け、自分の住むフライブルクがあるバーデン・ヴュルテンベルク州でも次々と感染のニュースが飛び交っていました。
しかし生活においては特に変化はまだなく、会話の話題にはなっても、皆いつも通り過ごしている様に見えました。
3/13 街に異変が…
ドイツにきて約1ヶ月、この日初めてコロナによる大きな変化を感じました。
州によっては既に休校が始まっているところもあり、授業後に来週からここも休校になるかもしれないと告げられました。
また、多くの学生が集まる大学図書館でも職員による感染が発覚したため休館になるとのニュースも。
何となく人通りが少ないと感じながらも、この日の夜もいつも通り飲み屋を探して歩いていたのですが、週末はいつも賑わっている店やメイン通りも明らかに人が少なく、”本当に今日は金曜日なのか?”と思うほどでした。
店の中に入っても平日より客が少なく閑散とした状態で、店員さんも暇そうにしていました。
ただこの時も危機感は薄く、手洗いなどは普段からしていましたが、急に人が減った街に疑問を抱く程度でした。
この日を境に状況は一気に変わり、3/15には近隣諸国との国境管理の強化開始。
3/16 接触制限措置の発表
月曜日になり、休校の場合は連絡すると言われていましたが、週末の内に語学学校からの連絡はなく、普段通り登校しました。
すると授業開始と共にスタッフが現れ、明日から休校になると言われ、3つの選択肢を告げられました。
- フライブルクに残りオンラインで授業を受ける
- 実家に帰りオンライン授業を受けるか、学校が再開した後に再び授業を受ける
- 全てキャンセルし返金処理を行う
授業終了までに用紙を記入し、提出するよう求められました。
人によっては悩む場合もあるだろし、週末の内に連絡して欲しかったと思いつつ、自分は1を選択しました。
そしてこの日の内にドイツ政府から接触制限措置が発表されました。
- 食料品販売店、宅配サービス、薬局、衛生・医療関連施設、ガソリンスタンド、銀行、郵便局、クリーニング店、コインランドリー、新聞販売店、卸売店等は営業
- 以下の施設は閉鎖
- バー、クラブ、酒場等
- 劇場、コンサートハウス、博物館等
- 展示、映画館、公園、体育館等
- 売春宿等
- スポーツ関連施設、フィットネススタジオ等
- 子供の遊び場
- 以下の行為は禁止
- サークル、レジャー施設等における会合、市民学校、学校以外の教育施設、バスによる旅行ツアー
- 宗教施設における会合
- 病院、介護施設等の訪問の制限
- 飲食店ではテーブルの間隔を空け、客数を制限し衛生上の措置をとることを義務付け
- レストランは原則6時から18時まての営業
- 宿泊は必要な場合のみに限り、観光目的では利用不可
ちなみに発表の出る前に、ランチを食べに行った店に明日以降の営業について訪ねたところ通常通りやるつもりだと言っていました。
3/17 入国制限が発表
街では既に休業している店もあれば、店を閉める準備をしていたり、トイレットペーパーなどの買い占めが起こったりと様々な変化が現れています。
トラムも運転席側のドアは閉鎖され、明らかに乗客の数も少なくなっていました。
大聖堂前の青空市場でも距離を空けるようにと貼り紙があり、野菜なども店員に取ってもらう方式に変わりました。
ただそれでも、こちらではマスクをしている人は見かけません。欧米ではマスクは感染者が着けるものであるという認識が大きい為、自分も周りの目を気にして着けてませんでした。
ちなみに、自分は学生用のアパートに住んでいるのですが14部屋ある中、現在は自分を含め2人しかいません。
場所がらスイスやイタリアなどの近隣諸国から来ている人が多く、みんな自国に帰ってしまったのです。感染を考えると人が少ないのは良いことですが寂しいです。
また、日本の友人達からコロナ差別は受けてないか心配していただくこともあるのですが、元々アジア人が少ない地域で、近隣諸国からの感染が大きいという認識の為か幸いにも差別は感じません。
ベルリンなど大都市では、残念ながら差別を受けたという話をネットで見たりしますが…
3/22 更なる行動制限の追加
急激なスピードで感染者が増え続け、生活の状況も日々変わり、昨日まで当たり前だったことが今日はできなくなるような中、更に厳しい行動制限が追加されました。
主な内容は
- 家族、同居人以外の他人との接触は必要最低限にする
- 公共空間において他人との距離を1.5m以上とる
- 公共空間では同一世帯に属さない者は1名まで同伴が認められる(3人以上で集まることは禁止)
- 通勤や買い物などの他、個人によるスポーツ、屋外での新鮮な空気を吸うための運動など必要な活動の為の外出は引き続き認められる
- 公共、私的な空間を問わずグループでのパーティーは禁止され、違反行為には罰則が適用される
- 全ての飲食店は閉鎖(配達や持ち帰りでの販売は例外)
- 美容室、マッサージなど身体のケアに関わるサービス業は近距離での接触が避けられない為閉鎖
漸く春らしい陽気が続き、外出欲が高まる中での制限追加はとても辛いです。しかし一日も早く通常通りの生活に戻れるように、今は一人一人が不要不急な行動は我慢しなければならない為、ビールを飲みながら部屋にいることにします。
3/23 休校になってから一週間
3日振りに近くのスーパーマーケットへ。
日曜は休みだった(ドイツでは日曜日は基本的にお店は休みなんです。)ので混んでるかもしれないと思いつつ向かうと、入口の外に人がおり入ろうとしたら何か言われ入れてもらえませんでした。
どうやら入店数を制限してるようで、外で待っていなくてはならないようです。
漸く店内に入ると床の至る所に、間隔を1.5m空けるようにとラインテープが貼られていました。
品揃えとしては先週までとあまり変化はなく、パスタをはじめ保存の効くものや、トイレットペーパーなどは品薄のままでした。
しかし、新たに購入制限が加えらたようで棚に貼り紙がされていました。
トイレットペーパー、パン、油、小麦粉、牛乳、パスタ、卵、イーストが対象のようです。
レジにも以前までなかったアクリル板が客と店員の間に設置される等、数日でスーパーでも色々と対応が進められていました。
帰りに近くの公園に寄ってみると、散歩やランニングしてる人が思っていたより多かったです。安全を確保した上で気分転換も必要ですからね。
気付けば辺りは小さな花が沢山咲いており、春の訪れを感じると共になんだか癒やされました。
一日も早く状況が良くなりますように…
4/1 増え続ける感染者
4/9 イースター休暇前日
ドイツではイースター(ドイツ語でOstern)による祝日のため明日から4連休です。
またドイツでは日曜・祝日はスーパーをはじめとした大部分のお店が休みになります。今度の土曜日は祝日ではないのでスーパー等はやっているはずですが、極力外出頻度を減らすためまとめ買いをしにスーパーに行きました。
こちらでもマスクをしている人が増え(1,2割くらい)中にはビニール手袋を着けて買い物をしている人もいます。ちなみに現在は品薄の物もなくいつも通りの品揃えです。
イースター直前で値引きされていたこともあり、Lindtのウサギのチョコとキンダーエッグチョコを買いました!!かなり久し振りのキンダーエッグです(20年以上)。刺激の少ない生活の中だとこういったものでも何だかワクワクします。
せっかくの連休で天気も良いのにどこにも行けないのは本当に残念ですが、今日買い込んだたくさんのビールを飲みながら、日本にいる友人たちとオンライン飲み会をして家で過ごしたいと思います。
Happy Easter!! Frohe Ostern!! ハッピーイースター!!
4/15 イースター明け 休校から約1か月
イースターが過ぎ、日中は20度超える日も増えてきて、外で過ごせれば心地が良いであろう天候が続いています。
学校が休校になり店が休業になってから約1か月経ちます。最近コロナウィルスの統計をよくチェックしているのですが、ここ数日は数値を見る限り、新規感染者数が前日比を下回る日が続いており少し希望が見えてきたきがします。(たまたまかもしれませんが…)
そんな本日、ネットニュースでメルケル首相が少しずつ規制を緩和していくことを発表したという記事を読みました。
会見の主な内容としては、
制限措置が功を奏し、感染拡大のスピードは緩やかになっているが、成功は途中段階で脆弱なものであり、規制緩和は慎重に一歩ずつ行う必要がある。と述べた上で、
- 学校は5/4以降、試験のある学生を優先に徐々にゆっくりと再開
- 800㎡以下の店は適切な措置を取ることを前提に月曜から営業再開が可能
- カフェ、レストラン、バー、デパート、ショッピングモールは引き続き営業不可
- 車や自転車販売店、本屋はサイズに関係なく営業再開可能
- 美容院は5/4から衛生対策を順守した上で再開可能
- 買い物や公共交通機関を利用する際はマスクの着用を強く推奨
- 宗教施設における会合は引き続き禁止
- 大規模イベントは少なくとも8/31まで禁止
- 私的な旅行や訪問は国内外問わず自粛
BBC NEWSより
近隣諸国でも規制緩和に向けた動きが少しずつ見られます。規制緩和は好ましいことですが、これを機に人々の気の緩みや移動が増加し、感染が再び大流行しないことだけを願います。
4/24 久々に街の中心地に
ピーク時に比べ新規感染者の数もだいぶ少なくなり、今週から少しずつ経済活動も再開される中、行動制限が出てから初めて(約1ヶ月ぶり)街の中心地に行きました。
テイクアウト以外の飲食店をはじめ、まだ営業再開をしていない店舗も多いですが、中心街にはそれなりに人が集まっていました。ちなみに電車内やスーパーの中などではマスクの着用が義務化されましたが、路上ではマスクをしていない人も少なくありませんでした。
市民の憩いの場である公園には天気が好いこともあり、一定の距離を保ちつつも、ピクニックをしている家族や日焼け目的で寝転んでいる人、スポーツをする人などでかなり賑わっていました。
5/6 更なる規制緩和
ここ最近は雨が降ったり曇りがちの日が多く、少し肌寒い日も続きますが、新規感染者数が1000人を下回り、回復者率も8割近くに上るなど日々いい傾向がみられるのは嬉しい限りです。
さて4/30に更なる制限措置の一部緩和における各政府の合意が行われ、今日から博物館・美術館・動物園・子供の遊び場などが再開されました。
ちなみにマスク着用義務に加え、罰金(15~30€)も科されるようになりました。
*規制緩和の内容や罰金に関しては州により異なるようです。
州令によるとドイツ語教育に関わる教育施設の再開は認められているようですが、自分の通う語学学校では、ドイツ国外に帰ってしまった人たちが戻って来ることが出来ないため、まだしばらくはオンラインでの授業が続くとのことです。
今週末から更なる人の移動が予想され、飲食店などの規制も緩和されていくというニュースもありますが、まだまだ世界的には油断できない状態が続きますね。
既に今年のオクトーバーフェストの中止が発表され非常に悲しいですが、1日も早くバーやビアガーデンでビールを楽しめる日が来ますように。
5/20 ついに店でビールが飲めるように!
街中の人通りもコロナ以前に近づきつつあり、天気の良い日にはアイスクリーム屋の前に行列ができる中、レストランの前を通ったらテラス席がしっかりセットしてあり、他の店では食事をしている人の姿も!
なんと、いつの間にか飲食店での営業が再開したようです。領事館のページに記載されている内容を見ても飲食店における具体的な内容は見当たりませんでしたが…
しかし、これは飲みに行くしかない!!と思い早速お店に。
席に着くと店員さんに名前や連絡先を記入するよう求められました。何かあったときのためだそうです。もちろん店員たちは全員マスクをしていました。
そして待ちに待ったビール!!!行動制限中も家でずっとビールは飲んでいましたが、店で飲むのはやっぱり気分がいいですね!
どうやら営業は屋外の席がメインのようで、店内は使えない店もあり、まだ営業再開していない店もあります。詳しい基準は分かりませんが、とりあえずビールが飲めるようになったことが本当に嬉しいです!!
営業停止になったのが3月中旬のことだったので約2ヶ月間。この日が来ることをどれだけ待っていたことか!元の状態に戻っただけですが、それが只々幸せです。
一日も早く世界でのコロナが落ち着き、全ての人々が元の生活を取り戻せますように。
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